立エボ CHUNITHM部内戦レポ(工藤視点)

 西暦2023年4月23日、全ては立命館大学 衣笠キャンパスの一室で始まりました。

鈴鳴べるり
「CHUNITHM部内戦やりまーす!」


立エボ会員


工藤「CHUNITHM…部内戦…?」

0.始めの話+部内戦概要

 皆さんこんにちは。1回生の工藤です。初投稿です。

 今回は、立命館大学音ゲーサークル “Ritsumeikan EVOLVED” (通称:立エボ)にて、今年の4月~7月にかけて開催されたCHUNITHM部内戦に関する記事です。30,000字を超えるとても長い記事となっていますのでその点はご了承下さい。
 今回の部内戦は立エボにて書記を務める鈴鳴べるり*1(以後、べるり)さんによる持ち込み企画であり、プロジェクトセカイChampionship2022 Spring·Autumnなど多くのゲームの大会にて採用されたBAN&PICKシステムを用いたチーム戦形式の部内戦です。

 この記事では、一参加者である私の視点から立エボCHUNITHM部内戦を振り返るだけでなく、対戦期間中の私の手の内や試合当日に考えていたこと等を記憶の限り全て明かします。その内容の性質上、結構な量の自分語りを含むことをご理解願います。一応、今回の部内戦に参加していない方や、普段CHUNITHMをそんなにプレイしていない方でも読めるようにしたので是非楽しんで頂ければ幸いです。

 

1.課題曲を詰める

 Discord上でプレイヤーネーム・Maxレート・部内戦への意気込みを入力し参加登録を済ませると、チーム振り分けの指標として課題曲のリザルトを提出することになりました。私は参加登録当時のMaxレートが16.44だったので、Maxレート16.25以上のプレイヤー向けに課せられた課題曲であるこちらをプレイ。

“Philosopher” (MAS14+)

 とてもBPM145とは思えない疾走感溢れる楽曲に、鍵盤やトリル、フリックなどが乱れ飛んで来る体力寄りの技巧譜面です。

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記憶が正しければTake10

 恐らく交互押しで取らせたいのであろう微縦連に癖が付いてトリルが出来なくなったり、ラストの[割]&拘束トリル地帯でノーツが抜けたり巻き込んだり、フリックが光らなかったりと色々ありながらも、粘着と試行錯誤の末、当時の自分が出せる限界と判断したラインであるSSSを達成。
 
Philosopherは本当に手強い課題曲で、特に終盤にやって来る怒涛の拘束トリル+分割トリルはコンボカッターとしての破壊力が凄まじかったです。

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左:魂の横認識で鬼畜4鍵乱打を処理
中:直前の配置の関係から3分割を指だけで拾いがち
右:ゲシュタルト崩壊を誘う連続拘束トリル

 納得のいくリザルトの生成に成功してリザルトを提出した後は、敵情視察も兼ねて課題曲提出スレで他の参加者のリザルトを眺めて過ごしていました。

2.対戦相手の候補を絞る

 課題曲の提出期間が終わり、チーム分けが確定するまでしばしの休息。しかし、私はこの期間で「自分は誰と対戦させられる可能性が高いか」「予想した人物の誰が対戦相手になっても自分が優位に立てる自選曲は何か」の2点を徹底的に分析・考察していました。
 まず、「自分が誰と対戦させられる可能性が高いか」について。先述したDiscord上の参加登録スレと課題曲提出スレで参加者のMaxレートやスコアを見て判断した結果、私が試合を行うであろう人物を以下の3(敬称略)に絞りました。

  • AVESTA
  • つらら
  • mnmk (みなみけ) ※以後、“mnmk”と表記

 それぞれ、私が集めた3人のデータと自分なりの彼らの分析を紹介します。


AVESTA…Lv.14のSSSリザをTwitterに多く投稿しており、“CO5M1C R4ILR0AD”や、“《運命》~Ray of Hope”などの鍵盤譜面を中心にSSSや1007kを出している。中でもAir初見SSS&FC(1,008,970)はシンプルに凄い。参加登録スレ内での発言や課題曲提出時の一言から、縦連や高BPMを主体とする体力譜面が苦手と思われるが、その割には“Last Kingdom”(終盤で16分縦連が頻発する譜面)をSSSに乗せている。どうやらSDVXもやっているらしい。


つらら…弐寺SPが物凄く上手く、Lv.12でAAAを出したリザルト*2TwitterやDiscordに複数投稿している。更に、BMSの発狂皆伝でAAを出していたりと、音ゲー」そのものの地力という観点では間違いなく自分より格上。しかしAVESTAさん同様、“Philosopher”は苦手な模様。もしかすると、この方も体力譜面が苦手である可能性は否定できない。あとJunk氏の楽曲“Life is PIANO”が好きとのこと。


mnmk…3人の中で最も敵に回したくない人物。まずメイン機種がCHUNITHMであり、課題曲の“Philosopher”でSSS+を出している。更には“封焔の135秒”*3でSSSを出しており、速さにも食らい付ける側の人間と思われる。自分よりMaxレートは低い(当時)が、正直関係無い。低・中難易度の癖譜面で事故を誘って狩るか、真っ向から自分の得意な譜面を叩き付けて勝負に出るかのいずれかで攻めたい。ちなみにガルパも超上手い。


 以上の分析から、自分と対戦する可能性が高い参加者は鍵盤譜面を得意とし、体力譜面を苦手とする人物が多いと予想。これは私が自認する、自分の得意不得意の傾向と一致しています。そして、自分と戦うかもしれない人物達は強力な相手ばかりであることを強く実感しました。
 自分の得意傾向、それからルール上の縛り(後述)を基に、「誰が対戦相手になっても自分が優位に立てる自選曲は何か」を真剣に考えた結果、複数の自選曲候補が誕生。ここから、自選曲を何にするか試行錯誤しつつ自分の人生史上最高のモチベーションと共にCHUNITHM生活へ身を投じていくことになりました。

3.自選曲探し

 対戦相手を推定した後、私は自選曲を何にするか検討し始めました。そして、自選曲をどれにするか見繕っている過程をTwitterに投稿し、「部内戦対策をやっていますよ」アピールを行って他の参加者にプレッシャーを掛ける作戦に出ました。*4

 無論、こちらの手札を簡単に晒して私を倒す対策に利用されては困るので、Twitterで部内戦対策のリザルトを投稿する際には

  • 楽曲名JUSTICE CRITICALの数絶対に隠す

  • スコアの下3桁MAX COMBOの値、そしてハイスコアの下3桁のいずれかを必要に応じて隠す (最低1つは必ず隠す)*5

 以上の2点を徹底することで何の曲を私がプレイしたのかを推定する手がかりを遮断し、入念なネトスト対策分析対策を実践しました。後述する試合当日に知った話ですが、少なくとも私が実際に対戦した相手の内の1人には効いていたようです。

 また、オンゲキのリザルトや、WORLD'S END譜面で理論値粘着をする様子、更には普段滅多に投稿しない食事の画像などの部内戦と全く関係無い画像でメディア欄を埋め尽くすことで、自分のCHUNITHMの成果を秘匿・確認妨害しつつ音ゲーマーのTwitterアカウントを運用するという小細工情報戦を遂行して過ごしました。こればかりは流石に陰湿過ぎたのではないかと自分でも反省しています。

 …今思えば、オンゲキのリザルトで得意傾向を探られていた可能性は否定出来ませんね。Lv.14のSSSが10譜面も無い状態で“”を詰める人間なんて鍵盤譜面が好きな人しかいないでしょうに。

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”の難所の1つ (最難所ではない)

 また、万が一対戦相手や他選曲の予想が外れて体力譜面が投げられた場合を想定し、“volcanic”(MAS14)を1日に1回以上プレイすることにより体力譜面に対応できるフィジカルを養うという対策も行っていました。割と早い段階で飽きて止めましたが。*6

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1,006k捻り出すのが限度(当時)

 そんな感じで、楽しい楽しい過酷なCHUNITHMに勤しんでいたある日、ついに運営によるチーム分けが発表されました。誰と同じチームになるのかが確定することに加えて誰と戦うことになるのかを絞り直す上でもとても大事な情報です。さて、肝心のチーム分けはというと…?

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主催によるチーム分け
 

  …あれ?

 
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あ!!!!
 

 ッッシャァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!mnmkさんと一緒のチームだぁぁぁぁぁぁぁぃぃぃぃぃぃやぁったぁぁぁぁぁアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 何と、あのmnmkさんと同じチームになりました!一番手強い相手になりそうだった人物が一転、自チームの心強い味方になった瞬間でした。不安材料が一つ潰えたこの日から、ますます部内戦対策に身が入ったように記憶しています。まぁ、仮に戦うことになっていたらそれはそれで燃えましたけど、味方同士になれたのは自分にとってかなり大きかったです。これからますます楽しくなってくるんだろうなと思いましたね。

 さて、後は自選曲を決めるのみ…。

※確かにmnmkさんと同じチームになれたのは色々な意味で嬉しいですが、何で文字サイズがあんなに大きくなっているんですかね?バグ?

4.天啓:全能の神

 時は流れ、自選曲の提出期限を翌日に控えた、5月19日金曜日。この頃になると部内戦のことで頭が埋め尽くされており、何をしていてもふとした瞬間に部内戦のことを考えている状態が当たり前になっていました。それはバイト先で労働に従事している最中も例外ではなく、その日の勤務中も暇な時間には自選曲を何にするか延々と悩んでいました。

 その時、私に天啓が降りたのです。そして、その曲を自選にすれば、対戦相手の最有力候補に入っているAVESTAさんとつららさん両者の苦手傾向を的確に突いて上から殴ることが出来るのではないかと、そう確信しました。

 さて、私が自選曲に決めた天啓とは…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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全能の神、ここに降臨

 ZEUS”(MAS14)。

 自選曲をこれに決めた理由を3つ挙げます。
 1つ目は譜面全体を通してBPM170の16分縦連が頻発することが理由です。対戦相手候補者の分析から、ハイスピードかつ体力を使う配置が苦手な候補者が多いと判断しました。そういった苦手傾向を持つ人にとって、“ZEUS”は多くの体力を消費する譜面であるが故に長時間の粘着・練習は過酷なものになります。そして本番でも譜面の激しさと苦手意識から他の譜面をプレイする時よりも相手のペースが崩れやすくなるのではないか?と考えたのです。
 2つ目は、“ZEUS”がCHUNITHMにおいてそこまで「悪名高い存在」ではないことが理由です。ここで言う「悪名高い存在」とは、多くのプレイヤーを苦戦させる余り、曲の存在がほとんどのCHUNITHMプレイヤーに認知されているものを指します。例えば、明らかにLv.15に両膝を突っ込んでいる鍵盤が流れてくるにもかかわらず14.9に居座る“Reverberate”や、稼働初期から長年に渡って数多の片手トリル難民を屠ってきたGenesisなどは「悪名高い存在」と言えるでしょう。今回の部内戦はBAN&PICKのシステムを採用しているので、悪名高い曲を自選曲とすることは“BAN”の大きなリスクを伴います。ではどうするか?そう、「悪名高くないけど譜面の癖が強い曲」を選曲すれば良いのです。

 …と思っていたのですが、部内戦終了後に各チームの専用サーバーを見て回ったところ、BAN&PICK配信の時点で“ZEUS”がえげつない縦連譜面だという情報がある程度認知されていたので、どうやら癖の強い譜面であることはそれなりに知られていたようです。「“ZEUS”は『悪名高い』譜面ではない」という私の認識が甘かったことを思い知らされました。

 そして3つ目の理由。それは私は“ZEUS”がとても得意であるというのが理由です。実際、私は数年前にこの曲で旧13初AJを狙おうと試みた時期があります。結果的にAJは今でも出せていませんが、1,2アタFC程度なら割とすんなり出ます。相手は苦手かも知れないのに私は得意な譜面、それが“ZEUS”なのです。そんな神器があるならば、それに頼らない手はありません。

 こうしてBAN&PICKで使用するセットに入れる自選曲は“ZEUS”に決まりました。後はBAN&PICK配信当日を待つのみです。

5.BAN&PICK

 2023年5月21日、ついにBAN&PICK配信当日です。基本的なルールはBAN&PICKの概念をそのまま踏襲したものですが、一部ルールに部内戦独自のものがあるので順番に説明します。

  1. チーム分け確定後、立エボ公式Discordにて開催される“BAN&PICK”配信に用いる課題曲セットを各チーム毎に作成し、運営に提出する。課題曲セットは各チーム毎に2つ作成する必要があり、選曲制限はセット①が「11+,12,12+,13から最低1曲ずつ計7曲」、セット②が「13+,14,14+,15から最低1曲ずつ計7曲」となっている。尚、2つの選曲セットに共通する制限として、セットに入れて良いのはMASTER譜面とULTIMA譜面のみである。これに加え、部内戦運営がランダム生成によって課題曲セットを6つ作成する。
  2. “BAN&PICK”配信では、事前に作成した計12個の課題曲セット毎に、まずは各チームは自分達がプレイ「したくない」曲を1曲セレクト(BAN)し、運営が指示したタイミングでチャットに投稿。BANされた曲は課題曲セットから消える。次に、各チームは自分達がプレイ「したい」曲を1曲セレクト(PICK)し、運営の指示でチャットに投稿する。ただし、複数のチームが同じ曲をPICKした場合、その曲は全てのチームにおいて使用不能となる。曲をPICK出来なかったチームには、課題曲セット毎に残った曲の中から抽選で1曲が持ち曲として与えられる。

 以上のような特殊ルールがあります。ここで特に大事なルールは、プレイしたい曲をリストからPICKする際、PICKされた曲が複数のチームで被ると誰もその曲をプレイ出来なくなるという点です。さて、ここからは、私が記憶している範囲で印象に残ったセット(4,8,10,12)のBAN&PICKを振り返っていきます。

セット4

 セット④の7曲の中で一際強烈な印象を放つ曲、それは“ベースラインやってる?笑”(MAS14)です。“Schrecklicher Aufstand”(MAS14+、通称:ドイツ人)に登場するような、手をSLIDEで拘束された状態からのSLIDEを挟んだ指押し、更にはとある事情*7から生まれた脳トレHOLD地帯など全体的に癖が強く、CHUNITHMにおける「悪名高い」譜面の1つです。

 そんな癖譜面の“ベースラインやってる?笑”ですが、実は私はこの譜面がめちゃくちゃ得意です。特に、脳トレHOLD地帯は完全非交差運指を組んでいるのでまず事故りません。本当に偶然、運営が生成したセットの中にベースラインが入っていたので、ここで貰っておこうという気持ちになりました。そしてセット4におけるAチームのPICK曲は“ベースラインやってる?笑”に決定。この曲で対戦相手をボコボコに…

 出来ませんでした。やはり知名度の高い癖譜面はこうなりますよね。

セット8

 いよいよセット8、自選曲の予定で組み入れた“ZEUS”が入ったセットになりました。まずはBANの結果から。A,Cチームが“★LittlE HearTs★”(MAS14+)を、Bチームが“otorii INNOVATED -[i]3-”(MAS15)をBANしました。

 そう、この時点で“ZEUS”は残っていたのです。ここでしっかりと“ZEUS”をPICK出来れば良かったのですが、ここでセット4におけるベースラインの一件が悪さをします。自選に欲しいと思った曲がBANされたことがトラウマになり、私は“ZEUS”のPICKを提案することを完全に躊躇してしまいました。「“ZEUS”をPICKしたい」という旨の発言が全く出来ないまま、結果的にAチームは“Angel dust”(MAS14+)をPICKすることに。ところが…

 BチームとPICKが被り、エンダスのPICKが叶わず。その後のランダム選曲でも“ZEUS”がAチームに来ることはなく、こうなるくらいなら我を通してでも“ZEUS”をPICKしたいと言っておけば良かったなと若干後悔しています。しかし、失ったものに縋り付いても仕方がないので、すぐに気持ちを切り替えて残りのセットに臨みました。

セット10

 やって参りました、セット10。言うまでもなく、今回のBAN&PICKでトップクラスの曲者セットです。

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100回ぐらい読んだら〇ぬ文章

以下、各譜面の簡単な概要

  • テクノリミ…難易度

  • Radiance…AメロのHOLDトリルが鬼門

  • Arcahv…ギミック抜きでもしっかりLv.14

  • 「冬」…片手トリルラッシュ ダイハツの曲

  • セツナトリップ…初期譜面特有の癖配置

  • サドマミホリック…このセット唯一の良心

  • Aleph-0()…激しいソフラン&超許容難*8

 このセットの内容を見て、まず誰もが考えるのはテクノリミをBANするという選択肢でしょう。しかしテクノリミ以外も相当な曲者揃いであり、なるべくそちらも警戒したくて悩ましいところです。ただし、セット10において「出来ない人vs出来る人」の構図が最も生まれやすい曲は間違いなくテクノリミです。何故なら、テクノリミは難易度テクノリミであるが故に、テクノリミが得意だという人は結構幅広いレート帯に分布しているのに対し、Aleph-0黒は加減速・停止ギミックが目立つものの鍵盤が順当に難易度15であり、15に挑める地力を持つ人間でもまともにスコアを出せる人間は限られるからです。

 ところで、チームAには、チーム専用サーバー内の自己紹介で苦手譜面としてテクノリミを名指ししている人物が2人います。しかもその二人のMaxレートは16中位(私)と16最上位(もう一人)であり、二人ともテクノリミを投げられる可能性が結構高い状態でした。最終的にチームAはテクノリミをBANすることに。気になる各チームのBAN曲は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

画像テクノリミBAN 現地の反応

 テクノリミのBANによって歓喜と絶望チャットを埋め尽くしました。テクノリミBANは自分達の苦手曲を消すという意味合いだけではなく、相手の得意曲を消すという側面も持っていたので大成功です。

 続いてPICK。AチームではDaihatsuクラシックの有名曲「冬」をPICKすることに。そしてその結果がこちら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 お前のこと誰もが好きやん。

セット12

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 このセットには誰もが認めるCHUNITHM最難関曲である“祈 -我ら神祖と共に歩む者なり-”(MAS15)DDRから送り込まれた刺客“ENDYMION”(MAS15)が入っています。これだけでも既に恐ろしいです。更に…

ちるみる「個人的には祈もエンディミオンも無理です!!」

 実力帯の関係で相手からLv.15を投げられる可能性が極めて高いちるみるさんが祈と“ENDYMION”の両方が苦手であることが発覚。よって、祈と“ENDYMION”の両方をセットから消し去ることこそがAチームの勝利に大きく貢献する、と私は考えました。

工藤 (を安定して高スコアに乗せることが出来るのはCHUNITHMプレイヤー全体で見てもほんの一握りましてや一発勝負ともなれば、自信を持って祈で対戦相手を撃破しに行ける人物は更に限られる…大将を務めるであろう人物でさえもその次元には到達していないんじゃないか?ということは、他のチームも祈をBANしに来る可能性が高い。)

工藤 (誰がやっても出来ない祈…そんな曲で運ゲー勝負をやりたがる人間なんていないはずだし、仮にBANされなくても誰もPICKしない可能性すら有り得る。だからわざわざ自分達でBANする必要性を感じられない。対して、“ENDYMION”はどうだろう?定数は15.0、祈に比べれば易しいうえ、アレは超筋肉特化譜面故に得意不得意が分かれる可能性が高い!つまりアレを武器として使える人間が他チームに絶対に存在する!だとすれば本当にBANすべき曲は“ENDYMION”!)

工藤「祈は皆出来ないイメージがあるので、筋肉強者が得をする“ENDYMION”を跳ねるのが良いのでは?」

 内心でそのように考えた私はENDYMIONのBANをチームメンバーに提案し、その考えがメンバーから支持された結果、Aチームのセット12のBAN曲は“ENDYMION”になりました。

 果たして、公開された各チームのBAN曲は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 計画通り。

 Aチームが単独で“ENDYMION”をBAN、そして読み通りBチームとCチームが祈をBAN。これによって、私の目論見通り祈と“ENDYMION”の両方をセットから消し去ることに成功しました。

 尚、Cチームのリーダーを務めるりみのさん曰く、Cチームは祈をBANした後で“ENDYMION”をPICKする計画だったようです。やはり彼(か)の曲を武器にしようと企んでいた人間は存在しました。“ENDYMION”には逃げさせません。

 こうして、各チームの持ち曲が全て確定しました。

 BAN&PICKを初めてやってみた感想としては、複数の制約によって必ずしも自分の思い通りに事が進むとは限らない状況の中で、相手が取り得る戦略を予想する駆け引きが大変面白かったです。BAN&PICKは、相手の戦略次第で状況が簡単に変わり、その都度、BANする曲とPICKする曲について新たに作戦を練り直すことを求められるので、常に何かを考え続けながら参加する必要があります。自分達の理想や想定に従って、時には柔軟に方針を変えながら少しでも自分達にとって有利な選曲を掴むBAN&PICKは、私自身の性分も相まって脳への刺激が多くてとても楽しめました。

6.他選曲対策 + 決戦の下準備

 BAN&PICK配信を経て、各チームの持ち曲が確定しました。そして、対戦に用いる曲を決めた後は、もちろん対戦相手を決める番です。以下のルールに則って対戦相手を決めます。

  • BAN&PICK配信終了後、参加者達は自チーム内の10名に①~⑩の対戦番号を割り振る。同じ番号を自チームの複数の参加者に割り振ることは出来ない。対戦番号を割り振ったら、他チームの同じ対戦番号を持つ参加者同士で3名1グループを作り、グループ内で期間中に対戦を行う。

 ということで、対戦相手の組み合わせは上記のようになりました。

 さて、5月から推測していた通り私の対戦相手はつららさんとAVESTAさんで確定しました!無事に今までの対策が意味を成すことを確信し、この時からは完全に2人を倒しに行く戦略を立てること、そしてそれを実現する為の地力上げを行うことにしました。

 まずは私の新たなる自選曲から。プレイしたい難易度帯であるLv.13+~Lv.14+の譜面かつ、私の得意傾向に即しており地力を最大限に発揮出来る譜面を探し、最終的な自選曲を“ポーカーフェイス”(MAS14)に決定(譜面の詳細は後述)

 また、対策を立てる際、ZEUSをチームねぎまに渡すことになってしまったこと、先述したようにAVESTAさんもつららさんも体力を使う配置が苦手だと私は分析していることから、ZEUSが自分の対戦グループで投げられる可能性はほぼ0だろうと判断しました。
 しかし、自分が優位に立てるカードを失っても出来ることはあります。私はすぐさま相手の切ったカードを刺し返す準備を進めることにしました。他選曲を対策するうえで、対戦相手が私に対して取るであろう戦略を予測したものがこちらです。

AVESTAさん…アクの強いLv.13+~Lv.14で事故を誘ってくると予想。SDVXをどれぐらいやり込んでいるのかは調査していないが、CHUNITHMのリザルトの傾向から鍵盤力では自分とほぼ互角と判断。また、グループ⑥内では自分だけ課題曲の“Philosopher”でSSSを出しているので、相手からは体力譜面も出来ると思われている可能性が高い。*9仮にこの予想が当たっているとすると、相手は癖譜面で一発逆転を狙う戦略を取るのではないか?と推測。

つららさん…Lv.14の鍵盤譜面で「音ゲー」の地力を振りかざしてくると予想。体力譜面に関しては、AVESTAさんと同様の理由から自分の方が上手(うわて)だと思われている可能性があるため、“ZEUS”を含め体力を使う譜面は投げて来ないだろうと判断。しかし、弐寺BMSで養われた高度な鍵盤力は相手にとって強力な武器になるのではないか?と考え、その武器を存分に活かせるLv.14中位~上位の鍵盤譜面を投げて来るだろうと推測。

 よって他選対策は13+~14の鍵盤譜面・癖譜面に絞って行うことにしました。一応、最初の頃には何かの間違いで14+が投げられるシナリオも想定して一部の14+もプレイしたのですが、「流石にグループ⑥で14+を投げる人なんていないでしょと冷静になり14+の対策は早めに切り上げました。

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バンピ終了後に書いたメモ
Everlasting Todayを焼肉のタレにするな

 そうやって分析を続けながら、最終的に他選として飛んでくる可能性が高いと睨んだのは以下の7曲です。※赤字の曲は他選最有力候補として特に警戒していた曲

  • R.I.P. (つらら自選?)
  • まごころのカスクルゥト
  • Radiance
  • SKYSCRAPER
  • JET (AVESTA自選?)
  • Arcahv (AVESTA自選?)
  • マーシャル・マキシマイザー

 つららさんの自選曲予想は割とあっさり絞れた*10のですが、AVESTAさんの自選曲予想は試合前日になってもあまり絞れませんでした。まぁ、どれが投げられてもいいように部内戦本番までには全部出来るようになってたら良いじゃん?ぐらいの気持ちで、試合直前までは上記の7曲と“ポーカーフェイス”の計8曲ばかりプレイしていました。部内戦とか関係なく、何だかんだ普通に楽しんで音ゲーをやっていた記憶があります。

 もちろん、JETで6-4-1とかいう珍リザを生み出したり、R.I.P.が2回でSSS+乗ったと思いきやその後SSSすら安定しなくなったり、自選のポーカーフェイスの24分階段と最後まで和解出来なかったりと壁自体にはブチ当たりましたけどね。

 あと、5月上旬に部内戦対策と“WARNING×WARNING×WARNING”[!]の理論値粘着*11とオンゲキを同時並行で行ったせいで5月下旬頃に重度の金欠に陥り、BAN&PICK配信直後には音ゲーをする機会そのものの確保が困難になったこともありました。*12尚、この末期の金欠のせいで自選曲を決める際の試奏が2クレしか出来ませんでした。アホ。

 そんなこんなで金欠からも復活し、いよいよグループ⑥の試合前日である6月23日がやって来ました。この日は午前で授業が終わる日だったので、授業終了後に速攻で昼食を終え、その後すぐさま金筐体が設置されているゲーセンに向かいました。

 この日は主に他選曲候補の最終調整をメインに行いました。他選曲候補の譜面をプレイして各譜面の中身をざっくりと思い出しておくことで、翌日の試合本番で対策した曲の譜面を覚えていないという状況を回避する為です。

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  対策の結果、他選曲候補は自分の中ではかなり高い水準まで詰めることが出来ました。ところで実は、自選の“ポーカーフェイス”は試合前日には1回触っただけで放置しました。既にこれでもかという程プレイ回数を積んでいて今更復習せずとも譜面を覚えていること、前日に自選曲が上手く行かなかった場合にメンタル面でダメージを負うと翌日の本番まで引き摺る恐れがあったからです。

 また、普段滅多に触らない全国対戦を1日だけで5戦もプレイしました。NEWから追加された全国対戦モードですが、今回の部内戦においては一発勝負の練習として非常に役に立ちました。自分が全くマークしていない楽曲を相手が投げてきた際に動じない精神力を鍛える目的や、初見の譜面に対するアプローチを確認するうえで全国対戦はとても有用です。まさか自分でもこんな使い方をする日が来るとは思いませんでしたが。

何か出た! (これが言いたいだけ)

 強い(当社比)リザルトの生成にも成功し、志気を大幅に高めることが出来ました。そして部内戦前日でもやはりCHUNITHMは本当に楽しかったです。やるべきことは全部やった、そんな確信を胸にゲーセンを後にしました。


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投げられないと良いな~(フラグ)

7-1.決戦当日 -グループ⑥-

 2023年6月24日。決戦の地である、ラウンドワン京都河原町店に到着した私は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アップ1。指を動かす為の選曲。
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アップ2。縦連のどつき方を確認する為の選曲。*13
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アップ3。1発勝負に必要な集中力と精神力を再確認。

 大波に乗っていました。何か今日もめっちゃウニ出来るんだけど。
 
昨日の勢いが全く衰えていないことに驚きました。しかも、偶然にも上の“Air”AJを対戦相手であるつららさんの目の前で出したことによってプレッシャーを掛けることにも成功。

 全国対戦のクレを終えた後、初めてつららさんと対面しました。初の対面を果たした時、上手く言葉にし難い、しかしながら決して不快ではない緊張感に自分が包まれたのを覚えています。「部内戦」という形で他人と本気でやり合う体験がこれまで無かったので、そういう相手と対面するのは少なからず新鮮な気持ちでした。そしてそれはつららさんも同じ気持ちだったようです。先の全国対戦を終えてからしばらく休憩し、ウォーミングアップ再開。そうこうしている内に、もう一人の対戦相手のAVESTAさんと立会人のべるりさんが到着。

 AVESTAさん、つららさんと合流し、立会人を務めて頂くべるりさんとも合流できたので、まずは対戦する3人でゆるく普通にマッチング。それぞれ好きな曲を投げ合って和気あいあいとした時間が流れた後、いよいよ対戦を行うクレに。順番待ちがいないことを確認したうえで私とつららさんが追加クレジットを投入しようとすると、ここでAVESTAさんが一言。

AVESTA
「自分の自選曲の都合上、ULTIMAプレイチケットを使って下さい」

 3人揃ってULTIMAプレイチケットを使用し、いよいよ選曲画面へ。

 グループ⑥、部内戦開始。

7-2.工藤の自選曲

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ー 開幕 ー

 1曲目は私の自選。マッチング画面で自選の“ポーカーフェイス”(MAS14)が表示された直後、つららさんから「これは対策してます」と一言。

 そんな事態は想定済みです。私も他選対策に全力を注いでいたのでね。つららさんから「対策しています」の言葉を貰った瞬間の高揚感は忘れたくても忘れられません。

 3人ともプレイの準備が出来たところで、楽曲開始。“ポーカーフェイス”いきなり8分割ノーツメインの配置から始まるので、指のエイムを誤ると一瞬でスコアが削られるだけでなく、初手からMISSを出してしまうことで戦意が喪失する恐れもあり、何としてもコンボを切らずに繋がなくてはならない場面です(2敗)。

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初っぱなからコレ

 単押しは北斗で、3つ同時押しは全押しで処理して確実に点を獲りに行きます。結果的に、この地帯は特に失点せず理論値ペースで通過できました。
 すると、その直後に私に異変が起こりました。「あ、今ゾーンに入ったな」という感覚を確かに得たのです。自分の脳が曲と完全に同期するような、そんな不思議な感覚が私の頭の中を満たしました。そしてそのまま、Aメロも理論値通過。
 
続くBメロには12分の階段+縦連が登場します。対策期間中、階段を指押ししようとしてノーツをすっぽかす事態が多発した配置です。よって全て北斗でどつきます。

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件の地帯

 12分階段を抜けて失点は赤JUSTICE3個のみ、そして1位を保ったままサビへ。サビの拘束トリルは超遅めに入るのを意識して早JUSTICEハマりを回避しに行きます。

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気を抜くとしか出なくなる

 相手に差を付ける為に、理想はAJでの接続、下振れても失点を0-1に抑えることを目指してサビを捌きます。サビが終わった時点で私の失点は2-0。MISS1個分の失点とATTACK2個分の失点が等しいので、何とか許容範囲内の失点で接続することに成功です。そして順位は変わらず1位間奏を抜けると再びサビが来るので、気合いを入れ直します。ラスサビの配置は1サビとほとんど一緒であり、今度は無事にAJで接続することに成功。いよいよやってくる最後の難所に備えます。そう、「アレ」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 24分階段ラッシュ×2です。

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地力が無いのでパチンコ開店

 結局ここは最後まで安定のさせ方が分かりませんでした。一応、想像の半分ぐらいの速さしかないことは粘着を通して知っていたので、気持ちかなり遅めに何かするという意識だけはあります。しかし、それを分かっていても24分階段ラッシュが2回も飛んでくるのは自分の地力ではほぼ運ゲーです。ここは色々な運指を試した結果、その日の調子に合わせて1:2で分けてガチ押しorタプスラor餡蜜、若しくは持ち替え無しの3連タプスラのいずれかを採用するという方法を取りました。この時は1:2で分けるタプスラを使いました。
 1回目は何とAJで接続。自分でもかなり驚きましたが、試合中に余韻に浸る暇は存在しません。即座に気持ちを切り替えて2回目の階段ラッシュへ。そして2回目ですが、こちらは1-2まあまあ失点を出してしまいました。階段1回にしては少々出し過ぎてしまった*14と思いますが、1回目のAJ接続が功を奏して2回の失点の合計は平均やや上ぐらいには収束してくれました。さて、勝負の結果は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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38-3-2 1位

 無事に1位を獲得出来ました!!!終了直後に隣の筐体でプレイしていたつららさんのリザルトがチラッと見えたのですが、内訳が50-6-1だったので私とつららさんの点差はたったのATTACK1個分です。もし私が1回目の24分階段をAJしてなかったら、多分私が負けていました。この時自選曲でしっかり1位を取ることが出来たことで、自信を持って他選曲に臨めるようになったのはかなり大きなアドバンテージです。

7-3.相手の自選曲 その1

 続いて2曲目、つららさんの選曲…

 

 

 ですが、ここで事件発生。

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グループ⑥部内戦 最高の瞬間

 完全にノーマークだった巫女みこナース・愛のテーマ」(MAS12+)が選曲され、しかも私とAVESTAさん共にMASTER譜面未解禁でプレイ不可能という珍事が発生。ULTIMAプレイチケットではMASTER譜面を解禁できないので、どうしようもありません。大は小を兼ねないのです。兼ねて欲しかったなぁ。

 仕方なく、3曲目、AVESTAさんの自選曲を前倒しで2曲目としてプレイすることに。さて、肝心のAVESTAさんの自選曲はというと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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知 っ て た

─── AVESTA「自選曲の都合上、ULTIMAプレイチケットを使って下さい」

 “JET” (ULT13+)。でしょうね。何せBAN&PICK配信で最終的に確定した選曲リストに入っていたULTIMA譜面は、この“JET”だけなのです。そして“JET”が選曲されたということは…

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工藤が悪いんだぞ…

 立エボ CHUNITHM部内戦 フラグ回収部門にて無事優勝を果たしました。

AVESTA「自分AJしてないです」

工藤 (自分AJしてないです2)

 試合冒頭の伏線と前日に立てたフラグを回収したところで、2曲目開始。この譜面は要所要所に縦連が絡んでくるので、縦連をしっかり押し切ることが出来れば大きなアドバンテージを得られます。しかし、ここで私はやらかしました。序盤で縦連が1打だけ抜けてしまったのです。

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緑の丸で囲んだノーツが抜けた

 ここでの1MISSが響き、中盤のブレイクで順位をチラ見すると、私の順位はこの時点で2位。何としても1位を取りたい、否、1位以外取る気の無い私は何とかここから逆転しなくてはなりません。しかし私は決して追い詰められた気分にはなっていませんでした。対戦相手のリザルトから得意不得意の傾向を分析する過程で、私はAVESTAさんとつららさんの両方に対して精度力で上回っていることを自覚していたからです。

 0-1は、どんな譜面であっても、どんなプレイヤーであっても出し得る内訳だと思います。つまり、仮に今自分が0-1で2位になっていたとしても、対戦相手が後から1MISSを出す可能性は十分に残されており、相手が自分と同じ数のMISSを出していた場合に赤JUSTICEの少なさでリードするという勝ち方が出来ると考えたのです。件の縦連で1MISSを出した数秒後、即ちブレイクに入るずっと前の時点で既にその方針が脳内に浮かんでいました。もう絶対に、MISSを出せない。そんなことを考えながらプレイしていると、譜面は既に2サビに突入済み。2サビには、個人的に警戒すべき箇所が1つだけあります。

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上:1サビ 下:2サビ

 1サビではHOLDとそこに隣接するTAPを同じ手で拾っているのですが、同じことを2サビでやろうとすると一時的にかなり縮こまった状態になる必要があり、高確率でSLIDEの始点が抜けます。ここは若干忙しくなりますがSLIDEとTAPを別々に拾って安定させます。*15
 2サビの運指を間違えることもなく無事に接続。ここまで来れば大した難所はもうありません。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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12-0-1 1位

 1曲目に続き、2曲目も1位を獲得。結果的に、赤JUSTICEの数で勝敗が決まる僅かな点差の試合という終わり方ではありませんでしたが、精度で相手を出し抜いて耐えようとしたことで余計なATTACK・MISSを出さずに済んだのは大きかったです。

 ちなみに後日AJ粘着を敢行、無事成功させました。

 超ドブったけど。(13連敗)

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縦連に癖が付くも擦って99AJ死守

7-4.相手の自選曲 その2

 私とAVESTAさんの自選曲をプレイしたのは良いものの、未解禁のMASTER譜面を再生出来ないこのクレでは他にやることがありません。仕方なく、3TRACK目は適当な1曲でやり過ごすことになったのですが、このタイミングで待ち椅子に1人並びが発生。まさかマッチングを一旦解消して再び筐体が3台空くことを祈ることになるのか…?

 …と思いきや、何と並んでいた方が偶然べるりさんの友人であり、事情を知ったその方が我々の連コを快諾。その方がたまたまべるりさんと知り合いで、且つとても心が広く、そして1人だけしか並んでいなかったからこそ出来たことです。この場を借りて御礼申し上げます。

 思わぬ奇跡に助けられたところで、運命の3曲目、つららさんの自選曲です。

巫女みこナース・愛のテーマ」(MAS12+)

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今度は皆MASTERチケット使った、偉い

工藤「き…昨日まで対策していた“R.I.P.”は?」

 まず、つららさんがLv.12+の譜面を投げたことに意表を突かれました。先述した通り、つららさんは「音ゲー」そのものの地力という観点において恐らくグループ⑥内最強であり、Lv.14付近の順当に難しい譜面で勝負に出ると読んでいたからです。選曲を見て、この時の私は「精度勝負に持ち込むつもりかな?」と考えました。
 この「巫女みこナース・愛のテーマ」に関しては、数年前に1回だけプレイした[狂]譜面しか事前情報がありません。実質的な初見プレイを強要されてしまいましたが、それでも不安はありませんでした。万が一にもノーマークの譜面が飛んできた場合に備えて、全国対戦で初見曲に動じない訓練をしたのですから。私は意気揚々と「決定」を押しました。

 さて、3曲目が始まりました。正直、この時の私はここまで2曲連続で1位を取っていたのでかなり自信に満ち溢れた状態でした。何なら、[狂]譜面の記憶を思い出して(うわぁ!イントロが16分乱打じゃないぞ!)だとか、[狂]譜面とMASTER譜面の違いに目を向けられるぐらい落ち着いていました。

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今存在してはいけない、巫女みcosmosの記憶

 しかし決して油断していたわけではありません。先に述べたように、このトラックは精度勝負になると推測していた私は理論値ペースのまま800COMBO付近まで繋ぎ続けました。そして事態が動いたのは826ノーツ目。下の画像をご覧ください。

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ここまで理論値ペースだったが…?

 件の箇所ではSLIDEの終点と8レーンTAP×2が流れて来るのですが、SLIDEの終点から生えたAIRによってTAPの分割線が非常に見にくくなっています。ここで私はTAPの形状を全レーンノーツと誤認してしまい、右側のTAPしか叩きませんでした。*16ここで私の内訳は0-0-1に。
 とはいえ直前の“JET”での立ち回りもあり、1MISSを出したことそのものについてはさほど深刻に捉えていませんでした。一旦MISSを出した後は、多少JUSTICEを出してしまったものの、サビに突入するまではコンボを切らずに繋ぎ続けました。サビに入った時点で私の失点内訳は3-0-1。まだまだ逆転を狙える内訳でした。ところが…

 はい、赤丸で囲んだFLICKが抜けました。このミスに関しては原因が明白で、このFLICK階段の直前に配置されているFLICK縦連を右手で勢い良く擦ったノリそのままに、FLICK階段を左手で豪快に振り抜いてしまったことが原因です。この曲のサビは画像のような「FLICK階段→SLIDE」の流れを延々と繰り返すので、一度分かってしまえば気持ち遅めに払うことを意識して立て直すことそのものは容易です。ところが、一発勝負の場においては立て直したところで失点自体は重く響きます。赤JUSTICEを出す出さない以前に、これ以上ATTACK,MISSを出すと本当に敗北が確定しかねないので、プレイ中かなり必死だったのを今でも覚えています。幸いにも、これ以降はATTACKMISSも出しませんでした。果たして、結果は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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6-0-2 3位

 結果は3位。2MISSが大きく足を引っ張る形になりました。スコアの値から推定すると、つららさんが1-0、AVESTAさんが0-1 or 2-0といったところでしょうか。完敗ですね私。
 2曲目の“JET”にて「精度による打開」という戦略を紹介しましたが、当然限界はあります。MISS 2個分の失点ってJUSTICE 204個分またはATTACK 4個分の失点に相当するんですよね。*17失点としてあまりにも大きく、2MISSも出してしまうと精度を削ったところで相手の事故を待つしか勝ち目は無いのです。結果論にはなりますが、せめて1MISSに抑えて2位に食い込むぐらいのことはしたかったですね。無念。

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AIRで2個赤吐いたけどAJで通ったからヨシ!

 もちろん、JETと同様に、禊の意味合いも込めて後日再プレイしました。こっちはドブらずに1発で決めることが出来て良かったです。

 当日もその後も色々な出来事が起こりましたが、これで私の試合が本当に終わりました。対戦相手のつららさん、AVESTAさんのお二人と戦えたことを非常に嬉しく思います。この場を借りて御礼申し上げます。

8.個人的に一番面白かった試合 -グループ①-

 さて、自分のグループの試合が終わっても部内戦はまだまだ続きます。自分の試合を終えたことで、私は立会人を務めることが出来るようになりました。ということで、自分が立会人を務めた試合の中から特に記憶に残った試合をピックアップして振り返ります!文章量の都合からこっちは自分の試合よりもテキパキ進めます。

 7月の例会終了後、グループ①の試合で立会人を務めに行きました。以下、グループ①で対戦を行う3人のざっくりとした紹介です。

水素…立エボ現会長。WACCAHARDCORE TANO*Cをこよなく愛している。何故かじおんさんが「ギラギラ」を投げると強く信じている。

だる…漫研の会計担当。オンゲキ弾幕譜面ガチ勢。

じおん…勢。テクノリミが出来る側の人。何故か水素さんから「ギラギラ」を投げると思われている。

 3人の共通点として、CHUNITHM以外の機種をしっかりやり込んでいる点が挙げられます。当時の私にとって3人のCHUNITHMの実力は未知数であり、とても心を揺さぶる戦いを繰り広げてくれるのではないかとワクワクしていました。

 -7月例会終了後、衣笠キャンパスにて-

水素「じおん君絶対ギラギラ投げるから!」

じおん「(笑)」

 

 -ゲーセンに向かうバスにて-

水素「じおん君絶対ギラギラ投げるから!!」

じおん「(笑)」

 

 -河ラのCHUNITHM筐体の前にて-

水素「じおん君絶対ギラギラ投げるから!!!」

じおん「(笑)」

工藤(投げねぇんだよなァ~~~!!!!!)

 何が面白いって、水素さんがずっと「じおん君絶対ギラギラ投げるから!」とめちゃくちゃ自信たっぷりに主張してくるんですよね。当のじおんさん本人が意味ありげな笑みを浮かべるだけなのも相まって大変シュールでした。ちなみに、私は立会人なので事前に誰が何を投げるのか全て知っており、ずっと真顔で耐えていましたが最後は堪え切れなくなって河ラで高笑いしてしまいました。*18

 さて、色々ありつつもついにグループ①の試合が始まりました。1曲目はじおんさんの選曲です。果たして、じおんさんの自選曲は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Let you DIVE! (MAS12)

水素wwwwwmxmmmWWWWWwwWWWWWWWWWWWWⓂ️Ⓜ️Ⓜ︎macOS wwwww wwww wwww WWWWWWwww笑笑笑笑笑笑wwwvvvvvvvvvwwwmwwwwwwwwwWWWWWMMMWWWWWwwwwwwwwwnnmwwwwwvvvwwwwmvWwwwwwwVwwwⓂ︎WWWWWWWWWWWWvmnw wwwww w(膝から崩れ落ちる)

 そうです、何と“Let you DIVE!”がじおんさんの自選曲でした。じおんさん、よくコレを水素さんに投げようと思ったな?そしてずっとにやついていた理由って、もしかしてこれなのでは?これでしょ。

 そんなこんなで1曲目“Let you DIVE!”開始。混フレや移動する8レーンTAPの16分トリル、そして1ヶ所だけとはいえExTAPの両手トリルが登場するなど、Lv.12の中でも結構やり応えのある譜面が特徴です。さて、勝負の結果は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水素 …1,008,753

だる …1,008,733

じおん…1,006,657

 Aチームの水素さんが1位を獲得!2位のだるさんを赤JUSTICE2つ分出し抜く形で接戦を制しての勝利となりました!特にグループ①の試合が印象に残った理由の1つはこの超接戦で、初回から心が躍る勝負を見せられてとても楽しかったです。

 そしてグループ①の試合が印象に残った理由はもう1つあります。グループ①の3名ですが、実は試合前に3名で各々課題曲を出し合ってウォーミングアップをしており、対戦終了後に私も自ら志願してそのウォーミングアップに挑戦してみることに。ところが、その課題曲があまりにも「やっていた」ので皆さんにも紹介します。

Blackmagik Blazing(EXP13)。疲れる。

Blows Up Everything(MAS14)。疲れる。

Alea jacta est!(MAS14+)。どう考えてもこの帯で飛ぶ鍵盤じゃない。

 ウォーミングアップで本選をやるんじゃあない。

 別のグループが土から生えてきたと言われてもギリギリ信じますよ。「面白そうなので自分でもやってみますね!」と軽い気持ちで言ってしまった結果とんでもない目に遭いましたが、予想通り本当に面白かったので全部許します。また、試合3曲目の“Help me, ERINNNNNN!!”(MAS10+)(選曲:だる)でじおんさんが魂の完全初見AJを決めたり、グループ①の試合は何から何まで面白い場面ばかりでした。

 こうして、記事に書き切れなかった試合も含め、立会人を務めた試合が全て終了しました。後は結果発表を待つのみです!自分のやることはこれで全て終わりました!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 …終わりですよね…?

 

 

 

 

 

 

 

 

9-1.まさかの代理参戦 -グループ②-

 …はい。言葉の通りです。いつぞやの立エボBBQ会でも言いふらして回っていましたが、実はグループ②でも部内戦に参加していました。なるべく簡潔に経緯を説明すると、グループ②でAチームのメンバーとして試合を行う予定だった46さんが部内戦期間中に腱鞘炎を発症してしまい、CHUNITHMのプレイが困難な状態に。*19そして部内戦の結果発表が行われる8月13日直前、8月10日の夜46さん本人がチーム内サーバーにて腱鞘炎の症状悪化のリスクを理由に不戦敗を申し入れました。

 言うまでもなく、46さんに無理をさせてまでCHUNITHMをやらせることなど出来ません。しかし、46さんがこれまで部内戦の為にBAN&PICK配信に参加してくれたり、自選曲を自分で決めて忙しい中で部内戦の対策を進めてくれたり(当然、腱鞘炎発症前の期間です)していた事実を知っている身としては、そう易々と「不戦敗」の選択を肯定する気持ちにはなれませんでした。これまで46さんが部内戦でやってきたことが全て無意味になる気がしたからです。

 最終的に、単に不戦敗で終わらせるぐらいなら他の誰かがハンデを付けてでも46さんの代わりにグループ②で試合を行うべきではないか?と私が提案したところ、有難いことにその提案が運営の目に入り、更に私の提案がAチームのメンバー達から支持され、いかDさんの一声もあって私が46さんの代理人としてグループ②で試合を行うことに。46さん本人からも感謝の言葉を頂き、正式に私がグループ②の試合に参戦することが確定しました。幸いなことに、46さんの実生活が多忙だったことからB,Cチームの対戦相手であるたたーさんとLaby_さんは既に試合を終えており、後から46さんが追い付けば良い状態だったので私がグループ②の3曲をプレイして追い付けばそれで済む状況でした。

 とはいえ、私がグループ②で戦うことが確定したのは8/11の深夜。そして立会人を務めて頂くべるりさんの予定、そして私の予定が合うのは8/11、即ちBBQ当日のみ。試合参加決定から試合本番までは24時間もありません。更に言えば、日中はBBQがありゲーセンに近寄れず、私の家からBBQ会場までの移動で平気で片道数時間溶けることを踏まえると、試合本番までの実質的な猶予はほとんど残っていません。午前1時40分、B,Cチームの選曲候補リストの内、私が譜面を知らないLv.11~Lv.13の楽曲について急遽YouTubeで譜面確認を行いました。

を付けた曲が譜面を確認した曲

 譜面確認をしている時点でバイトの疲労から割と限界が来ていたので、警戒すべき箇所をチェックし終えた後は翌朝以降の自分に全てを委ねてすぐに布団に入りました。結局この夜は3時間半ぐらいしか眠れませんでしたね。*20

 そして翌日。

 BBQそのものはものすごく楽しかったです。食事をしながら、Twitter*21やDiscordで関わったことのある方と対面して音ゲー談義に花を咲かせるのはとても有意義な時間でした。特に、高難易度特攻に対する価値観の違いにまつわる話*22や、非オンゲキ勢から見たオンゲキのUIに抱く違和感に関する話*23が印象に残っています。後はテクノリミが出来る側の人達が揃って「EXPERTの方が難しい」と言っていたのも新鮮でしたね。*24そして楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、BBQの解散時刻である16時になりました。勝負の時が刻一刻と近付いています。

9-2.ゲーセン到着~ハンデ決定

 BBQ終了後、私や友人の1回生達を含む多くの会員が自ずとゲーセンに向かいました。私と友人達が向かったのはGiGO エイスクエア草津店。到着した直後に同回生の友人達がCHUNITHMの裏手にあるmaimaiに向かうのを見送り、私は独りCHUNITHM筐体の前へ。

本番直前のリザルト(1クレ通し)。精度そのものは出せる日でした。

 正直、グループ②の他選曲を予想することは困難を極めました。しかし、少なくとも高難易度が投げられることは無いと読んでいたこと、ハンデの詳細が直前まで不明であることから、とにかくランダム選曲を引き続け、未プレイ既プレイを問わず引き当てたLv.11~Lv.13の楽曲を1発プレイし、なるべく良い精度でプレイし続けるというウォーミングアップを行いました。

 ハンデの選定については、私からは運営に1つ「工藤だけJUSTICE以下1つにつき-200点」という重ためのハンデを提案していたので、最悪その案が採用されてもまともに勝負が出来るような精度力を保てているかを確認・調節する必要がありました。よって、ウォーミングアップは引いた曲をプレイしてはリザルト画面で判定分布を見て感覚を整える過程の繰り返しでした。余談ですが、私がランダム選曲のノックを延々と続けている最中にCHUNITHM筐体の隙間から奥のmaimaiが見え、そこで楽しく遊んでいる同回生の姿を見て(部内戦でしっかり勝って笑顔でmaimai組に追い付くぞ!!!)と気合いが入りました。

この隙間からmaimai組が見えた ※写真は草津GiGOではありません

 しばらくして、立会人兼運営メンバーであるべるりさんからハンデが言い渡されました。

べるり「ハンデは…

 “ハイスピード4.5”です!!!!」

工藤 (そう来たか~!!!)

9-3.46さんの自選曲(Player:工藤)

 最初にハンデの感想について書きます。てっきり精度を落とせば落とす程私が地獄を見るタイプのハンデを付与してくるかと思いきや、まさかの私の精度力そのものを封じる形式のハンデを付与してきました。低速プレイについては、私は昔オンゲキをハイスピ1.0でプレイしていました*25し、グルミクは今でもレーン長さ100%のハイスピ7.5でプレイしている*26ので低速プレイそのものに触れたことはあります。しかしCHUNITHMでは低速プレイをそこまで積極的にやる機会が今まで無かったこともありほぼ未知の領域です。

設定もしっかりと4.5速に

 早速ハイスピ4.5で46さんの自選曲“裏表ラバーズ”(MAS12)をプレイしていきます。個人的な経験に基づくと、低速プレイにおいてありがちな失点の増え方は主に2つ挙げることが出来ます。

  1. 16分のトリルや乱打でFASTハマりする
  2. ロング系ノーツを早く離しすぎる(特に終点判定のある音ゲーは要注意)

 “裏表ラバーズ”のMASTER譜面は16分のトリルや乱打が頻発する譜面故、1.に警戒すべき譜面と言えます。*271.のような状況を回避する為に他ゲーの低速プレイで乱打を捌く際に意識しているのは、トリルや乱打といった、ある程度まとまったノーツを群として認識し、その群を構成する始点のノーツのタイミングを完璧に合わせたうえでリズム押しするという方法です。

 “裏表ラバーズ”(MAS12)の場合、16分のトリル・乱打がメインの譜面なので始点のタイミングさえ合わせることが出来れば失点を大きく削ることが可能です。むしろ、4分や8分間隔の部分はノーツの間隔が空きすぎて逆にリズムキープが難しかったように記憶しています。ただ、自分は長時間のリズム押しを苦手としているせいか間奏開始直後の長いトリルはかなり崩れてしまいました。*28

チュウニの低速縛りでやるこの配置難しすぎる

 しかしながら、低速そのものが壊滅的に見えないといった最悪の事態こそ回避すれども、ラスサビにこれでもかと流れて来る腕クロス有りの配置でエイムミスによる失点(エイムズレなので当然MISS)を連発。

適正ハイスピでやっても心臓に悪い配置

 交差した先の配置をベタ押しした途端に抜けが無くなったことから完全にエイムを誤ったことを確信し、一気に暗雲が立ち込めたような気がしました。果たして、プレイ結果は…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

64-0-4 1位

 何とか1位を取ることが出来ましたが、このグループ帯の戦力をあまり正確に理解しておらず、SSSが取れなかったら3位になる可能性もあるとプレイ前には本気で思っていたので、プレイ終了直後は結構メンタルを揺さぶられました。MISSを量産した理由が低速縛りと関係無いエイムのズレだったこともあって割と精神的に苦しかったです。しかし、プレイする曲はあと2曲残っていたので急いで気持ちを切り替えました。

9-4.ハンデクラッシャー工藤

 1曲目、46さんの自選曲をプレイし終え、後はたたーさんとLaby_さんの自選曲である“フィクサー”と“炉心融解”の2曲を4.5速で攻略するだけとなった私。ところが、「4.5速でプレイ」というハンデの下で残る2曲に取り掛かったところ、私も運営も予想していなかった事態が発生。それがこちら。

 …はい、そうです、AJが出ました。炉心融解”に至っては完全初見です。

 何と、部内戦の真っ最中に、他機種における低速耐性がCHUNITHMで覚醒してしまいました。まさか低速ハンデが課されるとは試合前には微塵も考えていなかったうえに、CHUNITHMの低速縛りは長い間やっておらずハンデとして普通に機能すると自分でも思ってしまったのでこんなことになってしまいました。

 しかし、このままではハンデを付けた意味が無くなり、不公平な試合が成立してしまいます。よって、私には追加で更に重いハンデが課されることになりました。

べるり「新しいハンデは…

 “ハイスピード13.0”です!!!!」

工藤 (キッッッッッッッツ!!!!!)

9-5.Re:相手の自選曲

 新たに制定されたハンデは、ハイスピード13.0で3曲をやり直し、4.5速プレイと13速プレイの内スコアが「低い方」のリザルトを採用するというものでした。スコアの低い方を採用するのはズル防止のためでしょうね。*29

譜面はギリギリ見える(ただし間に合うかは不明)

 再び2曲目*30の“フィクサー”をプレイします。13速プレイ自体は過去に一度“Star Divine”(MAS12)でチャレンジしてみたこと*31がありますが、適正ハイスピを逸脱した高速設定でのプレイは、常に神経を張り詰めさせて即座にノーツに反応しないと失点がボロボロ出るという恐ろしさがあります。

 実際に今回の部内戦で“フィクサー”と“炉心融解”を13速でプレイしてみましたが、音ゲーというよりも反射神経のテストか何かを受けているような気分でした。大急ぎで反応しても大量の遅JUSTICEが生成されるので、とにかく見えたものを押すことに必死でプレイ中の記憶がほとんどありません。グループ⑥の部内戦とはまた違った緊張感を抱いてプレイしていました。さて、まずは“フィクサー”のプレイ結果から発表します。

80-4-1 1位

 どこでMISSを出したのか全く記憶にありませんが、4-1だそうです。低速でプレイした時はノーツの間隔が分からなくて赤ハマりする箇所が多々あったのですが、13速だとノーツの間隔「だけ」は広くなっていましたね。それから、爆速で流れる譜面を前に腕クロスなどしようものなら脳が終わるのでSLIDE持ち替えを多用して徹底した非交差運指を用いました。非交差はフィーリングでやっても案外上手く行くものだったのが幸いでした。そして、お次は“炉心融解”ですが、こちら何と…

88-2-0 1位

 やりました、魂の2アタFCです。プレイ終了直後の時点では自分の順位を確認出来なかったのですが、当時は「ここまでやればたたーさんとLaby_さんに対して良い勝負が出来るんじゃないか?」と自信を持って言えるスコアを出した手応えがありました。

 “炉心融解”でも相変わらず動体視力テストのようなプレイになりましたが、私に課せられたハンデは公平性を保つ上では結構良い仕事をしたと断言できます。

参考:工藤の銀レ時代のリザルト

 具体的には、ハンデの存在によって私の精度力は銀レ当時若しくはそれ以前の精度並に下がっていました。現在の私本来の実力を封じるという点では十分です。

 こうして、ハンデ有りの変則マッチが終了しました。急遽参戦が決定し、まともに対策が出来ていなかったどころか、そもそも1週間ぶりのCHUNITHMだったのもあって大急ぎで感覚の調整を行うことにもなりました。ですが、ハンデを課されながらも自分の出せる力は十分に出し切ったと言える試合であり、非常にやり応えのある試合だったと感じています!たたーさん、Laby_さん、対戦ありがとうございました!!!

 ※ここからは完全な余談になりますが、高速縛りのプレイは動体視力だけでなくハンドスピードも要求されます。見えたノーツに一瞬で追い付く必要があるからです。そうすると、普段ほとんど力まない簡単な配置すらも全力で叩くことを強いられただの11+が混沌以上の体力譜面と化します。しかも、動体視力を極限まで活用するので頭も疲れます。高速ハンデが上手く機能しなかった“裏表ラバーズ”を含め、3曲通しで休みなく高速プレイを敢行した私は当然ボロボロになりました。1時間半ぶっ通しでmaimaiをやっていた同回生達がピンピンしているのに対し、CHUNITHM1クレだけで尋常ではないダメージを負った自分は主観的に見てもかなり異様な存在に感じられました。しかし、一連のハンデが私にダメージだけを与えたかと言われると、そうではありません。やや極端な例とはいえ、今回のハンデを通じて、無駄な体力消費や脳への負担を減らすという意味でも、適切なハイスピ設定の重要性をますます理解できた気がします。

 そしてさらにこぼれ話。ハンデ一切無しでグループ②の課題曲をプレイしたらどうなるのか個人的に気になったのでリザルトを貼っておきます。※全て1発プレイです

 ハンデって大事ですね。ちなみに、自分が提案していた「工藤だけJUSTICE以下1つにつき-200点」のハンデをここで適用してみると、“裏表ラバーズ”(1,007,893)、“フィクサー”(1,008,138)、“炉心融解”(1,008,766)となります。

10.結果発表

 8月13日、ついに結果発表の日がやって来ました。私も朝から夕方までのバイトの最中ずっと結果が気になって仕方がありませんでした。各チームの勝ち点の合計で最終順位が決まりますが、果たして各チームの順位は…?そして私がいるAチームの順位は…?

Aチーム勝ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 最終順位は1位Aチーム、2位Bチーム、3位Cチームという結果になりました!

11.部内戦を終えて思うこと

 ここからは部内戦に関する率直な感想を書いていきます!まず最初に言いたいこととして、

 今回の部内戦、めちゃくちゃ楽しかったです!!!!!!!!

 私は今まで、オンラインオフライン問わず他人と音ゲーをする経験自体*32はかなりありました。しかしながら、今回の立エボCHUNITHM部内戦のように、対面形式で他人と一発プレイの真剣勝負を繰り広げる機会は一度も体験したことがなく、非常に新鮮かつ面白い経験をすることが出来ました。こういう機会を頂けたことに感謝です。ゲーセンの交流会にも行ったことが無かったので余計にね…。初めての戦闘体験としてこれ以上ないものだったと感じています!

 続いて、自分の出場した試合について一言。まずはグループ⑥。

 楽しかったけどめちゃくちゃ悔しいです。

 いやね、確かにグループ⑥の中では最も勝ち点を稼いで1位になりましたし、自選でしっかり1位を取って他選も1曲跳ね返しましたよ。そして対戦相手の分析や実際に試合する相手とその選曲の予想も(ちょっと間違えたけど)ところどころ当てて、一見すると音ゲー部分と頭脳プレーの両方で上手いことやったように見えますけどもね、

 そこまでやったんなら全トラックで1位取って完全勝利したかったなぁ、と。

 3タテ、したくないですか?私はしたいですよ?最も結果の予想がしづらかった“ポーカーフェイス”で1位を取ったらその勢いのまま決め切りたかったなと今でも思うものです。“巫女みこナース・愛のテーマ”に限らず、私は低・中難易度で驚異的な高精度を出しておきながらMISSの多さで全てを台無しにするというプレイを頻繁にやらかす人間なので、そういったある種のもったいないプレイを減らす為の取り組みはやっておきたいところです。具体的に何をすべきなのかはこれから考えて実践してみます。

 続いて、グループ②。自分の地力とかなり離れた帯でハイスピ関連の縛りを課せられた試合でしたが、こちらでは3タテを成し遂げました。ただし、ハンデによって自分の実力を大幅に制限され、尚且つハンデ込みであっても対戦相手との地力の差が無視出来ない状態での3タテなのでイキるのは止めておきます。実は、対戦中もこのブログを書いている最中も、(金レやプラレの頃の自分ってどんな感じだったっけ?)と思い返す機会が多々ありました。自分の場合は確か“8-EM”(MAS旧13+)でRECENT枠を盛ってばかりだったような気がしますが、如何せん当時の記憶は既に風化し始めていますし、音ゲー以外にも良いことや悪いことがこれまで沢山あったので、金レやプラレという指標は実力の面と記憶の面、両方の意味で遠い存在になってしまいました。それでも、現在その付近の実力帯にいる人達と関わったり、彼らが成果を出している様子をSNSで見たりすると、かつての自分が思い起こされて少なからず心を揺さぶられるものです。今銀レ~プラレの人、若しくはそれよりも低い帯にいる人、地力が上がった後で過去の自分を誰かに重ねる機会があれば存分にその感覚に浸ってみて下さい。今の私の気分が何となく分かると思いますよ。

 空気がやや重たくなってきた気がするので話題を変えます。BAN&PICKの話でもしますか。大前提として、BAN&PICKは自分の思い通りに事が運ぶルールではありません。当たり前ですが、自分達がPICKしたかった譜面をPICK出来なかった時は他の譜面をプレイしなくてはいけません。何か1つの譜面、言うなれば自らの「十八番」さえ出来ていれば良いというゲームではなく、あらゆる譜面を捌くことの出来る人間が戦略上有利なゲーム、それがBAN&PICKです。CHUNITHMというゲームをどれだけ知っているかが試されるゲームであったと言えます。

 また、ここを逃すと本当に書く機会が無くなりそうなのでここで書きますが、自分がPICKする目的でセットに仕込み、結局PICKし損ねた“ZEUS”がグループ⑨でまるくさんの自選曲として使われたことを結果発表の配信で知った時は心から感動しました。自分が全力で思案した末に導き出した武器曲が巡り巡って相手チームの自選曲として使われ、部内戦の1シーンを作っていたという事実は私のやってきたことへの報いとして十分過ぎました。

 …さて、ひとまず書きたいことはこれで全て書いたと思います。最後になりますが、企画立案者の方、運営メンバーの皆様、選手として参加した皆様、そして8月の例会までこのブログの存在を秘匿してくださった方に多大なる感謝を申し上げます。

 ありがとうございました!そしてお疲れ様でした!!!

 

2023年8月21日 工藤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 私を倒したい方は、上の画像のような、HOLDやSLIDEをFLICK・ExTAPの階段で跨ぐ配置が頻発する譜面を私に投げましょう。

 面白いぐらい刺さりますよ。

*1:発案者ではないそうです。

*2:ウニで言うなら、Lv.15のSSS↑。

*3:“Philosopher”を上回る難易度の高速技巧譜面。BPM200で32分混じりの16分乱打や12分縦連、更にラストには24分トリルを捌かされ、腕のフィジカルが弱い工藤は超苦手。

*4:自分がこの作戦を実行したことで運営のモチベが上がったらしいです。やってて良かった、盤外戦術。

*5:赤1個辺りの失点を計算出来なくし、ノーツ数から自選曲候補を推定する行為を防ぐという狙いがありました。

*6:ちなみに8月の全機種スコアタCHUNITHM部門では、この対策が活きたのか“volcanic”(MAS14)の1発プレイでSSS+(29-2-0)を叩き出すことが出来ました。

*7:詳細はじゃこレモン氏がCHUNITHM稼働7周年記念のスタッフコメントで語っているので、皆さん自身で読んでください。

*8:2,000ノーツ超えは当たり前どころか3,000ノーツ超えも珍しくないウニのLv.15において最少の1,519ノーツ。

*9:客観的に見て部内戦当時の私が体力譜面の出来る人間かどうかはさておき、先述した通り体力譜面には苦手意識が結構ありました。

*10:予想が合っているとは言っていません。

*11:自己ベ4-0-0

*12:皆さんも音ゲーをプレイする頻度のペース配分には気を付けましょう!

*13:「え?“elegante”で縦連のアップ?」と思う方も多そうですが、高速縦連を押し切る力というよりは、余裕で押せる速さの縦連を走らず綺麗に拾う力を調整する為に選曲しました。

*14:当たり前ですが、私にのみ適用される基準で見た場合です。ちなみに階段ラッシュ1回辺りの失点の平均は1-1

*15:1サビからこの運指を使う派の人は気にしなくてOK。

*16:AIRの形で気付けよ」と言われたらその通りなのですが。

*17:この赤と緑以下の失点比率のえげつない格差はCHUNITHMの特徴の1つであり、ウニ出身の音ゲーマーがゲキマイをプレイする際にウニと同じノリでBREAKやGREATを量産して高スコアが出ない現象はSEGAゲーあるあるの1つとされています。

*18:流石に水素さんとだるさんに怪しまれたので「湯川学の物真似です」と言って誤魔化しました。

*19:46さんはメイン機種である弐寺は(恐らく負担を考慮しつつ)何とかプレイ出来る状態だったようですが、CHUNITHMとなると想定外の負担が手に掛かりプレイが厳しいとのことでした。

*20:ソース:ポケスリの睡眠記録 AM2:21~AM6:09

*21:“X”…?知らない子ですね…

*22:高難易度特攻慎重派の私と高難易度特攻推奨派の相手との間で考え方に色々な違いがあって面白かったです。相手の主張が整然としていて腑に落ちやすかったのも高ポイントでした。

*23:オンゲキのボタンが左から順にと並んでいることについて、並びが青青でないことを不思議に思う方が結構いるそうです。

*24:出来る側の方曰く、トリルがほぼ一繋がりのMASTERと違い、休符が混じるEXPERTでは始動の手がどちらなのか分かりにくいそうです。

*25:現在は矯正の末12.5速でプレイしています。1速勢だった頃の動画

*26:これでも速く矯正した方で、昔はハイスピ2.0でプレイしていました。現在のグルミクのプレイ動画

*27:2.はCHUNITHMの性質上、ロング系ノーツの終点判定を気にしなくて良いのでHOLD/SLIDEを押しっ放しにしておくだけで解決できます。今回は正味どうでも良いです。

*28:仮に長時間のリズム押しが出来れば、“まっすぐ→→→ストリーム!”[狂] SSSなんてとっくの昔に出せています。

*29:仮に高い方のスコアを採用するルールだと、例えば4.5速で98AJを出した後に13速で捨てゲーをしてRANK Dにすれば98AJの方のスコアを採用させることが制度上出来てしまいます。

*30:実は当初のハンデはハイスピ14.5でのプレイでした。よって1曲目の“裏表ラバーズ”は14.5速でプレイすることになりましたが、ハンデが厳しすぎてあまりにも悲惨なリザルト(AAA、300-40-28)を私が錬成してしまい、運営がハンデの加減を見誤ったという判断が下され、特例で“裏表ラバーズ”は4.5速の高い方のスコアを採用して頂いています。ハンデ決めを突発的に行うのは明らかに難しいことなので、こればかりは仕方ないと思っています。

*31:少女☆歌劇 レヴュースタァライト」作中にて、舞台少女の「キラめき」の質量が“130g”であると示唆される場面があり、その設定に合わせたネタです。

*32:例:ガルパやプロセカの協力ライブ、CHUNITHMの全国対戦、ゲキチュウマイ3機種での身内とのマッチング等